記事の内容
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言が4月10日に発令されたことにより、ネクスタ・メイシの運営会社である東日印刷では事務部門を中心に4月上旬から6月中旬まで在宅勤務が推奨されていました。
在宅勤務では身支度や通勤に時間がかからない分、自由に使える時間が増えます。
そこで、業務に必要なITの基礎知識を再確認するために、ITパスポート試験にチャレンジしてみることにしました。
当社では、同試験は業務遂行上有用な公的資格として取得奨励されており、取得すれば資格取得奨励金が支給されます。
ITパスポート試験とは
ITパスポート試験は、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
試験時間は120分で、ストラテジ系(経営全般)35問程度、マネジメント系(IT管理)20問程度、テクノロジ系(IT技術)45問程度、合計100問が四肢択一式で出題され、1,000点満点中600点以上で合格となります。合格率は50%程度です。
ITパスポート試験はCBT(Computer Based Testing)試験方式です。受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。年に1回とか2回、決められた日に決められた会場で一斉に行う試験ではなく、自分に都合のよい会場・日時で受験することができます。
勉強方法
試験日時6月7日(日)9時30分~11時30分で申し込みし、5月11日(月)から勉強を開始しました。
在宅勤務で増えた自由時間を有効活用するため、試験勉強にあたっては以下のようにルールを決めました。
- 1日の勉強時間は1時間まで(往復の通勤時間の置き換え)。
- 通勤時間の発生する週1~2回の出勤日には勉強をしない。
- もともと通勤時間の発生しない土曜日と日曜日には勉強をしない。
勉強方法は以下の通り
- 2020年夏秋版ITパスポート問題集(無料全問解説付)をケータイにインストールし、ひたすら解く。
- アプリの解説で理解できない場合のみ参考書で確認。
ITパスポート試験の学習内容は、中小企業診断士試験の範囲にほぼ全て含まれているため、比較的すぐに合格ラインに到達すると思っていました。しかし、それほど甘いものではありませんでした。IT業界は日進月歩で、新しい概念や技術が次々と現れているため、勉強してみて初めて聞く言葉がいくつもありました。また、以前理解したもののすっかり忘れてしまっていることもたくさんありました。
5月11日(月)~6月5日(金)の在宅勤務日の合計が14日でしたので、14時間しっかりと集中して勉強しました。
さらに、試験前日の6月6日(土)には不安に苛まれ、自ら決めたルールを破り2時間勉強してしまいました。
試験結果
なんとか合格することができました。
合格のメリット
ITパスポート試験合格によるメリットは以下の通りです。
ご興味がある方はぜひチャレンジしていただきたいと思います。
○業務に必要なITの基礎知識が身に付きます
パソコンの操作に関する知識ではなく、情報システム、ネットワーク、データベースなどITの基礎知識が体系的に身に付きます。
○情報セキュリティや情報モラルに関する知識が身に付きます
情報セキュリティに関する基礎知識が身に付くことで、インターネット、電子メール、社内システムを利用する際に、機密情報漏洩やウィルス感染など様々なリスクがあることを理解できるようになります。
○企業コンプライアンス・法令遵守に貢献する正しい知識が身に付きます
知的財産権などに関する法律の知識や、企業コンプライアンスに関する知識が身に付くことで、著作権侵害・商標権侵害などの法令違反や個人情報漏洩などのリスクが理解できるようになり、企業コンプライアンス向上・法令順守への意識が高まります。
〇経営戦略、財務など、経営全般に関する基礎知識が身に付きます
「SWOT分析」「PPM」など社会人として備えておきたい経営全般に関する知識や、財務諸表・損益分岐点分析など会計・財務に関する知識が身に付くことで、ITを活用した業務の課題把握と解決力が養われ、業務改善につなげることができます。
中小企業診断士を目指す人にとってITパスポートとは?
ITパスポート試験は3分野から出題されます。
この表のように、ITパスポート試験は経営情報システムをはじめとして中小企業診断士第1次試験のいくつかの科目に関連していることがわかります。
「経営情報システムを勉強する上で、あらかじめITパスポートを学んでおくと有利」といった声をよく耳にするため、中小企業診断士第1次試験対策としてITパスポート試験に挑戦しようかと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
ITパスポート試験の学習内容は、中小企業診断士試験の範囲にほぼ全て含まれるため学習に無駄は発生しませんが、それだけでは十分ではないため、中小企業診断士試験向けの学習も必要になります。書店に並んでいるITパスポート試験のテキストの多くは、イラストがふんだんに使われていて非常に理解しやすいため、経営情報システムに苦手意識のある方は、基礎の学習にそのテキストを使うことはとても有効だと思います。
ただし、経営情報システムの学習にITパスポートのテキストを使った場合でも、試験そのものを受ける必要はないと思います。
中小企業診断士試験は例年8月初旬(今年はオリンピック開催の影響を考慮して7月)の第1次試験7科目(マークシート方式)を合格した後、2か月半後の第2次試験4事例(短答式及び論文式)に臨まなくてはならず、多くの方が合格まで複数年を要する長く険しい道のりです。 限られた勉強時間の中で力を分散させることなく、中小企業診断士試験に集中することをおすすめします。