
お話を伺った方
福山通運株式会社
情報システム部 部長
石川 亮(いしかわ りょう)様
小山 清志(こやま きよし)様
御社の事業内容をお聞かせください
当社は、全国約400カ所におよぶ物流拠点に加え、充実した流通・情報インフラを整備しており、自社ネットワークによる全国規模の輸送を可能にしています。企業間物流(BtoB)を中心とした運送事業を基盤に、貸切輸送、流通加工、国際物流など、多角的な事業展開を進めています。
近年特に、当社独自の全国ネットワークを活かした「貸切輸送」事業に注力しています。
これまでの主力は、複数の荷物をまとめて運ぶ「混載輸送」でしたが、最近では、お客様ごとに専用トラックを手配する「貸切輸送」へのニーズが高まっています。
同様のサービスを提供している企業は他にもありますが、全国規模で貸切輸送を自社運営でき、かつ企業間物流に特化している会社は、大手の中でも限られており、これは当社の大きな強みだと考えています。
当社では、物流を「産業と暮らしを支える社会のライフライン」と位置づけています。
物流サービスを安定的かつ継続的に提供するだけでなく、経済の発展や地域社会との共生、さらには環境保全にも積極的に取り組んでいます。
社会から信頼され、選ばれ続ける企業であるために、一つひとつの業務に真心を込めて取り組む姿勢を大切にしています。

ネクスタ・メイシを導入する前、社内にどのような問題や課題がありましたか?
当社では主に、「名刺の管理」と「名刺情報の活用」の2点に課題を抱えていました。
まず「名刺の管理」に関しては、個人任せになっており、管理方法が社員によってまちまちでした。
例えば、受け取った名刺をバインダーに入れて管理している社員もいれば、山積みにして放置している、個人向けの名刺管理アプリに登録している社員もいました。
そのため、組織全体として名刺の管理状況を把握できず、管理できているとは言い難い状態でした。
また、名刺には個人情報が含まれるにもかかわらず、適切なセキュリティ対策が講じられていないケースも多く、情報漏えいのリスクも懸念されました。
さらに、情報が属人的に管理されていたことで、日常的に名刺や接点情報の確認に時間がかかったり、異動時に顧客情報の引き継ぎが不十分になったりといった課題も発生していました。
実際に、前任者が名刺交換をしていたにもかかわらず、その情報や活動履歴が共有されていなかったために、お客様に過去にお話ししていただいた情報を再度確認するといったことが発生することもありました。
「名刺情報の活用」においては、名刺をデータ化して社内で共有する体制が整っておらず、荷主(顧客)情報を店所や地区を越えて共有することができていませんでした。
また、名刺交換をした方に、当社の情報を共有するメールを送るなどの働きかけも行われておらず、せっかく得た接点を営業活動に活かしきれていない状況でした。
こうした背景から、名刺を単なる紙の情報にとどめず、営業効率の向上に繋げる活用が求められていました。

ネクスタ・メイシを導入にあたり苦労した点などありますか?
実は、名刺管理システムの導入検討は、社長の強い意向によるものでした。
営業活動の「見える化」や、名刺情報の社内共有の重要性について社長から指摘がありました。
また、先ほどもお話しした通り、それまでは名刺交換をしても、メール送信など営業活動への活用がほとんどされていなかったこともあり、導入は、「名刺を資産として活用する」ための基盤づくりと位置づけていました。
とはいえ、新しいツールを導入するわけですから、社内からは「本当に必要なのか」といった根本的な疑問の声や、「どこまでの機能が必要か」といった活用範囲に関する意見、さらには「費用に見合う効果があるのか」といったコストパフォーマンスを懸念する声など、さまざまな意見が上がりました。
社内調整には苦労しましたが、セキュリティ意識や情報共有の重要性について一つひとつ丁寧に説明し、理解を得るよう努めました。

ネクスタ・メイシを導入しどのように変化しましたか?
これまで組織レベルでの名刺管理を全く行ってこなかったことや、導入後まだ日が浅いこともあり、現在は「名刺交換後に名刺をきちんと登録する」という基本動作の定着を最優先に進めている段階です。
そのため、本格的な活用という意味ではこれからではありますが、導入の第一歩として位置づけていた「人脈の可視化」「情報共有の促進」「作業の効率化」といった目的については、すでに一定の効果を実感しています。
特に、スマートフォン専用アプリを活用することで、名刺登録を非常に簡単に行えます。
アプリをインストールしておけば、スマホのカメラで名刺をスキャン登録できるため、外出先でも手軽に対応できます。
名刺情報の読み取り精度も実用に十分なレベルであり、従来のようにメールアドレスを手入力したり、紙の名刺を手作業でファイリングしたりする必要がなくなったことで、日常業務の効率が大きく向上しました。
さらに、専用のスキャナーを使用すれば、一度に数十枚の名刺を一括で登録できるため、短時間で大量の名刺をデータ化できる点も魅力的です。
これまで、顧客管理は、どちらかといえば「企業単位」で行ってきたため、取引先企業との間にどのような「人と人との接点」があるのかは把握しきれていませんでした。
しかし、ネクスタ・メイシの導入で、個人が保有していた名刺情報が社内で共有されるようになり、人脈が「見える化」されました。
結果、例えば「この会社の○○部署の人とつながりがあったか?」といった情報も検索ですぐに確認でき、名刺の所有者に連絡を取ることでスムーズな情報収集が可能になっています。
組織全体で取引先との関係性をより立体的に把握できるようになった点は、非常に大きな成果だと感じています。

今後の展開やどのような活用をお考えかお聞かせいただけますか?
現在、当社では、名刺管理に加えて商談管理も可能な「レギュラープラン(コンタクト管理・案件機能付き)」を契約しており、将来的には営業担当者の行動管理まで含めた、SFA(営業支援システム)的な活用を視野に入れています。
また、名刺交換後の営業的なアプローチとして、メール送信を検討していることから、現在はネクスタ・メイシのメール配信機能をトライアル利用し、その操作性や効果を確認している段階です。
さらに今後は、CRM(顧客管理システム)との連携も視野に入れており、より高度な営業、顧客管理の実現を目指しています。
運用面では、まず東京の営業本部から導入を開始し、現在は大阪・名古屋・仙台・福山・福岡の全国6拠点に展開しているところです。今後も順次、活用の範囲を全国に広げていく予定です。
ネクスタ・メイシ導入の決め手は何ですか?
メジャーな名刺管理サービス4社を候補に選定し、
- 基本機能の使いやすさ
- 検索機能の充実度
- オプション機能の範囲
- 他システムとの連携性
- サポート体制
- 初期費用・運用コスト
など、複数の観点から総合的な比較・評価を行いました。
なかでも、最も重視した「基本機能の使いやすさ」に関して、他社製品では操作のたびにマニュアルの参照が必要だったのに対し、ネクスタ・メイシは直感的なUI設計により、ほとんど説明書を見ずにスムーズに操作できる点が大きな魅力でした。
また、名刺の取り込み・共有・検索といった基本機能に加え、社長からの要望でもあった「営業活動の見える化」を実現できるコンタクト管理・案件機能、さらにメール配信機能によって、名刺交換相手へのアプローチが可能になる点も、当社の要件に合致していました。
これらの充実した機能を備えながら、他社製品に比べて導入・運用コストを抑えられる点も非常に評価が高く、総合的に見てコストパフォーマンスに優れていたことが、最終的な導入の決め手となりました。

ネクスタ・メイシの優れている部分や気に入っている機能などありましたら教えてください。
ネクスタ・メイシの導入にあたって、特に優れていると感じているのは、スキャナーやスマートフォンを使って名刺を一括登録できる点や、初めての利用者でも迷わず操作できるシンプルで直感的なUIです。さらに、CSVエクスポート機能により、名刺情報から宛名リストを簡単に作成できる点も非常に便利で、業務の効率化に期待を寄せています。
メール配信機能においても、住所や名刺交換日、タグなどを条件に柔軟なリスト絞り込みが可能で、動的にフィルタリングされる仕組みにより、リスト管理の手間が大幅に軽減されました。メール作成画面も直感的に使いやすく、デザインの自由度も高いため、簡単に配信メールを作成できる点は非常に便利です。必要十分な機能を備えながらも、他社と比較してコストが抑えられており、非常に高いコストパフォーマンスを実感しています。
今後は、名刺情報の「共有」と「活用」をさらに本格化させていく方針です。具体的には、まず名刺情報の確実な登録と内容の正確な修正を徹底し、次に営業活動や接点の履歴を分類・記録していきます。その上で、名刺情報をもとにしたメール配信やリードナーチャリングを実施し、将来的にはCRMなど他システムとの連携も視野に入れています。
また、これらの取り組みを通じて、組織内での情報共有を強化し、拠点間の連携をよりスムーズにすることで、新規顧客の発掘や売上拡大といったトップラインの向上にもつなげていきたいと考えています。