
名刺管理アプリには法人向けと個人向けのものがあるのをご存知ですか?
紙の名刺をデータ化し管理することで、顧客情報の管理や検索が効率化するという点においては、法人向けのものと個人向けのものに違いはありませんが、搭載されている機能を比較するとそれぞれの違いが明らかになります。
本コラムでは法人向け名刺管理アプリと個人向け名刺管理アプリの違いについて、法人向け名刺管理アプリ「ネクスタ・メイシ」の諸機能をもとに解説します。
コンセプトの違いとそれによる基本設計の違い
法人向けと個人向けの名刺管理アプリの一番の違いは、名刺情報の管理主体、また帰属先がどこかという点にあります。当然のことながら、法人向け名刺管理アプリに登録される名刺情報の管理主体は組織であり登録された情報は組織に帰属します。一方、個人向け名刺管理アプリに登録される名刺情報の管理主体は個人であり、帰属先も個人になります。
言い方を変えると法人向けの名刺管理アプリに登録される名刺情報は組織の情報資産として共有を前提としているため、登録者本人でなくとも組織内のユーザーであれば誰でも確認することができます。
これに対し、個人向け名刺管理アプリでは、名刺情報の共有は個人の判断に委ねられる上、ほとんどの個人向け名刺管理アプリには他者と名刺情報を共有するための機能が付いていません。
このように、他者との情報共有を前提しているか否かにより基本的な設計が変わってきます。

ユーザー管理、権限管理
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
法人向け名刺管理アプリであるネクスタ・メイシ特有の機能として「ユーザー管理」があります。個人向け名刺管理アプリと異なり、法人向け名刺管理アプリの情報管理主体は組織であるため、代表管理者がユーザーの追加やアクセスレベル(権限管理)の設定を行うことができます。
ネクスタ・メイシでは、ユーザーレイヤーは管理者と一般ユーザーの2つに分けられます。管理者はユーザー追加(アカウント発行)や無効化、一般ユーザーの権限管理などを行うことができます。
ネクスタ・メイシでは、管理者によってユーザー追加(アカウント発行)された者のみが名刺管理アプリの利用を許可されます。また、利用者が退職した際は、管理者が当該アカウントを無効化する(無効化されたユーザーはアプリへのログインができなくなる)ことで、退職による名刺データの持ち出しを防ぐことができます。
ユーザー権限管理では登録した名刺データのエクスポート(CSV、Excel形式)の可否や、エクスポートできる範囲などを設定することができます。
いずれも個人情報である名刺データの持ち出しや漏洩リスクを低減する仕組みで、法人向け名刺管理アプリならでは機能といえます。

IPアドレス制限
ネクスタ・メイシでは組織外からの不正アクセス防止やそれによる情報漏えいのリスクを低減させるために、指定したIPアドレス以外からのアクセスを制限することができます。
操作ログ取得
個人情報に該当する名刺をアプリで管理すると、個人情報データベース扱いとなり個人情報保護法の規制対象になります。
そのため、登録した名刺情報が万が一流出、漏えいしたケースを想定し、トレーサビリティ(名刺データやその周辺情報がいつ・誰によって・どのように扱われたかを追跡可能とする)を確保する必要があります。
ネクスタ・メイシは、データポータビリティを高めるいくつかの機能に関して、操作ログの取得を行うことができます。いつ、誰が、何をしたかをログを通して確認することで個人情報に関するガバナンスを強化することができます。

まとめ
名刺を単にデータ化し管理するという点のみだけを考えれば、名刺管理アプリは法人向けも個人向けも一緒ですが、個人情報であり組織の情報資産である名刺情報を安全かつ効率的に運用するためにはそのための管理機能が必要になります。
ユーザー管理や権限設定、トレーサビリティの確保といった仕組みは、組織全体で名刺情報を活用しながら、情報漏えいや不正利用を防ぐために不可欠です。
名刺情報を適切に管理し企業のコンプライアンスや社会的な信頼感を向上させるためには、法人向けアプリの導入は有効な選択肢といえるでしょう。