みなさんは「フレーミング」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。
今回のコラムでは2つの「フレーミング」がもたらす効果を解説します。
「フレーミング」とは「同じ内容であっても表現方法が異なるだけで、人々の意思決定が異なること」を意味し、これからご紹介するどちらの「フレーミング」にも当てはまります。
野球編
「フレーミング」とは、ストライクかボールか際どいコースの球を、キャッチャーが捕球の仕方によって審判にストライクと判断させる技術のことで、ワンバウンドの投球を止めるなどの技術である「ブロッキング」や、盗塁を企てられた際の送球技術である「スローイング」と合わせて、近年の野球界では一般的な言葉になってきました。
今シーズンから楽天に復帰した田中将大投手が、沖縄キャンプで若手キャッチャーにキャッチング技術の重要性を説いたこともあり、にわかに注目が集まることになりました。
ピッチャーから投げ込まれた高速のボールを捕球しようと動かしたミットを、捕球と同時に止めることはとても難しく、多くの場合ミットが動かした方向へと流れてしまいます。その結果、ストライクゾーンを通過していたにも関わらず”ボール”と判定されてしまうことがないように、球威に負けないようにミットを外から内に使い、特に低めのボールに対してはミットが落ちることなく、捕球と同時にミットをピタッと止めることが求められているのです。
これは、審判を欺くためにボールゾーンで捕球したミットをストライクゾーンに動かす「ミットずらし」とは異なり、際どいコースのストライクを確実にストライクに取ってもらう技術です。
フレーミングの名手として、OBでは古田敦也氏、谷繁元信氏、現役では木下拓哉選手(中日)、戸柱恭孝選手(DeNA)、坂本誠志郎選手(阪神)を挙げることができます。
「フレーミング」とは「同じ内容(ボール)であっても表現方法(捕球の仕方)が異なるだけで、人々(審判)の意思決定(判定)が異なること」と言い換えることができます。
行動経済学編
経済学が立証してきた理論をベースに、人間特有の考え方やくせを踏まえて実際の行動を検証する行動経済学において、「フレーミング効果」とは、全く同じ事柄にも関わらず、伝えたいことの中でどの部分を強調して提示するかにより相手の受け取り方が異なり、選択に影響を及ぼすことをいいます。
例えば、ある商品に対して以下のように書いてあると、
【A】満足度90%
【B】10人に1人は満足できない
意味するところは同じでも、【A】では好印象を、【B】では商品に不安を抱く人が多くなる傾向があります。
「フレーミング効果」を利用することで、相手の選択行動に影響を与えられるため、以下の例のように広告や小売りの現場などビジネスでも広く使われています。
無料
通信販売でしばしば見かける「無料お試しセット」や「一定額以上の注文で送料無料」も、マーケティングにおけるフレーミング効果の活用例です。
人間は損失を恐れるので、初めての商品を買ったり、なじみのない店で買い物したりすることには、誰でも不安を覚えるものです。「無料」ならば何も失う心配がなく「損する確率ゼロ」なので、非常に強いお得感として認識されるのです。
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「フレーミング効果」とは「同じ内容(物事を表現する枠組みが同じ)であっても表現方法(どこを強調するか)が異なるだけで、人々の意思決定が異なること」と言うことができます。
まとめ
フレーミングとは、「同じ内容であっても表現方法が異なるだけで、人々の意思決定が異なること」を意味します。野球でも広告や小売りの現場などのビジネスでも、相手が完全無欠のロボットではないことから生まれたスキルで、勝負を左右することさえあるテクニックなのです。
150キロを超える豪速球や、鋭く曲がる変化球をどのように捕球しているのか、TVの野球中継でキャッチャーに注目して観たり、新聞や雑談、ネットの広告のキャッチコピーの意図を探りながら注意してみたりすることで新たな発見があるかもしれません。
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