<写真はデイリースポーツより>
スタジアムがエンターテインメント空間に
今週末にクライマックスシリーズを控え、今シーズンのプロ野球はいよいよ佳境を迎えています。
プロ野球は全ての試合に勝つことは難しく、どんなに強いチームでも勝率7割程度であるため、勝敗・試合内容による満足度が試合ごとに大きく変動します。
そこで、ドメインを(※注)物理的定義から機能的定義へと変化させ、ライバルを他球団や他のスポーツではなく娯楽全体ととらえることで、野球ファンがチームの勝ち負けとは関係なくイベントやイニング間の演出などを含めたエンターテインメントとして楽しめるような施策を講じる球団が増えてきました。
エンターテインメントを形づけるのは、魅力的なスタジアム(周辺含む)、充実したスタジアムグルメ、試合前後・イニング間のイベント、そして忘れてはならないのが場内アナウンス担当のスタジアムアナウンサーです。
マリンスタジアム名物の場内アナウンス
スタジアムの名称が、千葉マリンスタジアム⇒QVCマリンフィールド⇒ZOZOマリンスタジアムと変わっても、「マリーンズの声」を担当して33年、通算2100試合にも渡ってスタジアムアナウンサーを務めたのが谷保恵美さんです。選手にも勝るとも劣らない体調管理や不断の努力の賜物によって達成された偉業です。
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ファンと選手が一体となって、マリーンズの勝利を後押しする雰囲気の醸成に一役買ってきた谷保さんの代名詞とも言えるのがマリンスタジアムの空高く響き渡る「サブロー~~~~~!」、「福浦~~~~~!」と語尾が伸びて上がる独特の言い回しで、一度聞いたら決して忘れることはできません。
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球界随一のマリーンズの応援歌
アナウンスを聞いて「ああ、マリンに着いたんだ」と実感させられる谷保節は、本物のアイデンティティであり、マリーンズのブランディングの醸成に大いに貢献してきました。
球界随一と称されるマリーンズの応援歌を代表する以下のフレーズも本拠地のマリンスタジアムで谷保さんの選手紹介アナウンス後に聞くとより一層迫力があるように聞こえたものです。
ボーリック「ボー・リッ・クッ!」
大村巌「イワイワオー」
神戸拓光「神戸!神戸!!」×4
今江敏晃「熱くなれ今江」
サブロー「レッツゴーサブロー」
井口資仁「打て井口!頼むぞ井口!」
福浦和也「俺たちの福浦」
荻野貴司「駆け抜けろホームまで荻野貴司」
もし私の夢がひとつ叶うならば、マリンスタジアムで谷保さんのアナウンスで打席に入り、マリーンズの応援団にチャンステーマ「モンキーターン」で応援されたい。
歓喜の延長戦突入
そんな谷保さんは今季限りでの「アナウンス引退」を宣言し、10月7日マリーンズ主催のレギュラーシーズン最終戦(対バファローズ)で「公式戦最後」のアナウンスを終えました。
その後、勝てばレギュラーシーズン2位確定だったホークスが10月9日のバファローズ戦で痛恨の敗戦を喫すると、翌10日、敵地でのイーグルス戦に見事勝利したマリーンズはクライマックスシリーズファーストステージ本拠地開催となる2位を確保しシーズンを終えました。つまり、谷保さんの場内アナウンスの延長戦突入が決定したのです。
ファーストステージを勝ち上がり、セカンドステージでバファローズにも勝利すると、日本シリーズは10月28日(土)に千葉マリンスタジアムで開幕することになります。
果たして谷保さんの延長戦はいつまで続くのか。クライマックスシリーズ、日本シリーズの行方をしっかりと見届けたいと思います。(選手名敬称略)
(※注)物理的定義は、「モノ」を中心にドメインを発想します。例として「プロ野球団が自社の事業領域を『野球観戦』と定義する」というようなことが挙げられます。
物理的定義のデメリットとして、事業活動の展開範囲が狭くなり、現在の事業領域を超える発想が出にくいという点があげられます。
機能的定義は、「コト」「顧客のニーズ」を中心に発想します。例として「プロ野球団が自社の事業領域を『エンターテインメント』と定義するというようなことが挙げられます。
機能的定義のメリットは、事業における将来の発展可能性を感じさせるという点です。