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「緊急事態宣言」だけでなく「緊急事態行動」を示すのはなぜ?
今、私たちがすべきことについて真剣に考えてみる

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<本記事は2021年1月6日12時時点での情報をもとに作成したものです>

政府は、1月4日東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県からの要請により2度目の緊急事態宣言の検討を表明。
その後、諮問委員会を開き、7日に同宣言を発表、8日から実施する方向で最終決定しました。

一方、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の知事は4日夜Web会議を開催。
緊急事態宣言の発出を待たずに、首都圏全体の人の流れを徹底的に抑えるための「緊急事態行動(緊急事態に推奨される行動)案」を取りまとめました。

今回はそんな緊急事態宣言や緊急事態行動について解説。
私たちが置かれて現状と、今私たちがすべきことについて考えます。

2回目となる緊急事態宣言。前回との違いは。

発出が間近に迫っている緊急事態宣言ですが、前回とはどのような違いがあるのでしょうか。

限定的される対象エリア、期間は流動的

昨年4月に発出された前回の宣言と比べ、最も大きな違いは対象エリアです。
前回の宣言が全国の都道府県を対象としたのに対し、今回は東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県が対象となります。

これは、全国の1日あたりの新規感染者数の半数以上が同地域に集中しているためです。
(1月5日の新規感染者数は全国4,915人に対し1都3県の合計はなんと2,530人)

また、期間に関しては、約1カ月程度を想定とのことですが、現時点で明確な宣言解除の要件が定まっていないため期間に関しては流動的と捉えられます。
1月5日に行われた西村経済再生大臣の会見では(1都3県の)感染状況がステージ4からステージ3相当に移行と判断した時点で解除と述べています。

前回の緊急事態宣言も当初1カ月としていながら、地域によっては最終的に2カ月まで延長されました。
今回の宣言は前回と比較し、背景にある医療供給体制の逼迫状況も深刻(後述)であることから短期間での解除は困難であると考えられます。

緊急事態宣言の内容

1月4日の会見で菅首相は、今回の緊急事態宣言について「限定的、集中的に行うことが効果的」と述べたことからも分かる通り、前回とは内容もかなり異なるものとなりそうです。

営業自粛要請に関しては、あくまでも飲食店などを中心としたものとなり、前回のように映画館や劇場などの施設は対象として含まれない方向です。
これは前回と比べ、新型コロナウイルスに関する知見も深まり、アルコールを伴う飲食の場での感染を抑えることが感染拡大を防ぐ上でのポイントとなることがわかったためです。
また、学校の一斉休校に関しても今回は見送られる見通しとであるほか、イベントに関しても全て中止ではなく人数制限など限定的な抑制になりそうです。

緊急事態宣言で何が変わる?

Yahoo!JAPANより引用

首相が緊急事態宣言を発出すると都道府県知事は主に上図の6つの措置が実施可能になります。
外出自粛要請などは自治体レベルでも可能ですが、緊急事態宣言下であれば要請は法的根拠を持つことになります。
ここで裏付けとなる法律とは新型インフルエンザ等対策特別措置法、いわゆる特措法です。
また、法律に基づくからこそ一部の措置に強制力も生まれます。

医薬品や食料品の売り渡しや臨時医療施設としての土地、建物の強制使用などは緊急事態宣言により強制力が生まれ、従わない場合は罰則が科されます。

しかし、それ以外の感染拡大防止措置に関しては、どれも要請、指示といったレベルで、従った場合の保障もなければ、従わなかった場合の罰則もないなど実効性に欠けるものであることから法改正の必要性に言及する声も上がっています。

新しく登場した緊急事態行動とは

NHKより引用

東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県は、人の流れを徹底的に抑えるため、独自に「緊急事態行動(緊急事態に推奨される行動)案」を取りまとめました。
同行動案では、特に飲食店に対し厳しい要請を科すものになっています。

1月4日、東京都の小池知事は臨時の会見を開き、新型コロナウイルスの感染状況がこれまでとは全く異なるステージに入ったと強い危機感を示した上で、「人の流れ、人と人との接触を徹底的に抑えることが必要だ」と指摘しました。

こうした発言の背景には、新型コロナウイルスに慣れてしまった国民の意識に対する強い危機感が感じられます。

1都3県の知事により開催されたWeb会議 日本経済新聞より引用

これまで行われてきたGoTo事業など景気回復策により、政府は国民に対して一方で感染防止を求め、他方では積極的な消費を促してきました。

感染防止と経済活動の両立。

本来であれば相反する内容の情報発信を繰り返すことにより、国民の判断に迷いが生じたことは間違いありません。
そしてそうした誤った判断は次第にウイルスの軽視へとつながります。
つまり、良くも悪くもウイルスに慣れてしまったのが今の私たちです。

しかし、医療現場に目をやるとどうでしょう。
1月5日の厚生労働省の最新の発表では、昨年12月30日時点で、実に9都府県(群馬、埼玉、東京、愛知、滋賀、大阪、兵庫、奈良、広島)が新型コロナウイルスの感染ピーク時に確保を想定している病床の使用率が50%以上(これは緊急事態宣言の対象となるステージ4=爆発的感染拡大に相当)に達したとされています。
また、28都道府県が確保病床の使用率25%以上(ステージ3=感染急増に相当)に達しているとのことです。

人手不足も深刻化しています。
コロナの入院治療には通常の倍以上の人手がかかるとされています。
こうした中、厚生労働省は全国の看護系大学に対し、看護師の資格を持つ大学院生や教員を逼迫する医療現場に派遣するよう協力を求めています。

日々の発表では、感染者数、重傷者数ともに過去最多を更新し続けていることからも、今後ますます日本の医療体制は逼迫していくことが予想されます。

緊急事態宣言を待たずして取り決められた緊急事態行動案にはこうした強い危機感を見て取ることができます。

本質は何一つ変わらない。私たちにできることは・・

政府の緊急事態宣言に加えて1都3県が緊急事態行動なるものを取り決めた背景には、法的強制力が弱く実効性に欠く現行緊急事態宣言の課題が存在します。

特措法の改正も視野に入っているとのことですが、今は、より強力なメッセージを発信することにより、私たちの危機意識を高め、行動変容を促すことしか手立てがないのが実情です。

1月5日の会見で西村経済再生大臣は、飲食の場での感染リスクを軽減させるためには、飲食にいたる人の流れを減らす必要があると言及し、改めてテレワークを推進し出勤者の7割削減を目指す考えを示しました。

今こそ「新しい働き方」が求められている

新型コロナウイルスに関する状況は刻一刻と変化しています。
残念ながら現時点で状況は悪化の一途をたどっています。

前述の通り、緊急事態宣言やそれを裏付ける特措法にはまだまだ不十分な点が多くあります。
だからこそ、最終的に私たち一人ひとりの意識が大切です。

ビジネスマンとして、企業として私たちにできることはなんでしょう。

それはリモートによる新しい働き方を積極的に取り入れることです。
そして、そのためのツールを積極的に活用することが求められています。

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