土用の丑の日とは
丑年最初の「土用の丑の日」が近づいてきました(1月17日(日)、29日(金))。
「土用の丑の日」といえば夏のイメージが強く、冬の土用の丑の日は耳馴染みのない方も多いかもしれません。
「土用」とは、それぞれの季節の始まりである立春、立夏、立秋、立冬前の約18日間を指します。中国伝来の陰陽五行説に由来し、宇宙のすべては「木・火・土・金・水」の5つの元素から成り立つという考えをもとに、春=木、夏=火、秋=金、冬=水と当てはめ、残った「土」を季節の変わり目に割り当てたものです。
よって、土用は年に4回あります。
昔の暦では、日にちを子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の十二支で表していたため、土用の期間内で「丑の日」と言われる日が1~2日あるのです。
日本最初のキャッチコピー
グラフからもわかるとおり、うなぎが最も消費されているのは夏の土用の丑の日のある7月です。それでは、なぜ夏の土用の丑の日にはうなぎが好まれるようになったのでしょうか。
話は江戸時代にまでさかのぼります。
もともと、うなぎの蒲焼は味が濃くてこってりしているので夏場にはあまり売れなかったようです。そこで、あるうなぎ屋さんが万能学者として江戸で有名だった平賀源内に相談したところ、うなぎ屋の店頭に「本日、土用の丑の日」と書いた大きな看板を置かせたのです。
当時は、丑の日には頭に「う」のつくものを食べると健康に良いという民間信仰がありました。
また、夏の土用は梅雨明けや大暑に重なり体調を崩しやすい時期であったため、古来より精をつけるのに良い食べ物として知られていたうなぎを食べるにはピッタリの季節だったこともあり店は大繁盛したそうです。
これを他の店も真似をしたことから「土用の丑の日はうなぎの日」という風習が広く浸透したようです。
そんなことから「土用の丑の日」は日本最初のキャッチコピーとも言われています。
うなぎの旬はいつ?
さて、いまではすっかり夏の風物詩となっているうなぎですが、本当のところ美味しくいただける旬はいつなのでしょうか。
天然うなぎは5月ごろから獲れはじめて、冬眠に入る12月には漁が終了します。水温が下がり始める10月ごろからは冬眠に備えて栄養を蓄えるので脂が乗ることから、旬は秋から冬にかけての時期なのです。
とはいえ、天然物は日本全体の漁獲高の約1%に過ぎない希少品で、私たちが口にするほとんどは養殖ものということになります。
それでも、露天の池で自然に近い状態で養殖されるうなぎは天然に近いため、やはり冬が美味しいそうです。
この時期にピッタリな「うなぎメニュー」
夏の土用の丑の日に加え、宴会や法事、入卒冠婚葬祭など「ハレの日」に食べることが多いうなぎですが、細菌やウイルスを殺すカテリジンというタンパク質(抗菌ペプチド)を作る働きがあるビタミンDをはじめ、様々な栄養素を含む滋養強壮の強い食材であることから、新型コロナウイルスに負けない免疫力を手に入れることができます。
また、動脈硬化や骨粗しょう症などの防止ほか、美肌にも効果があるとされていることから、年配者や女性にとってもうなぎはうってつけです。
「うな丼」としていただくほかに、身体を温めることができることからこの時期に適したメニューとして、うなぎと笹掻きにしたごぼうをみりんと醤油の割下で煮て卵で綴じた「うなぎの柳川風」や、うなぎをご飯と煮て三つ葉と卵を入れた「うなぎ雑炊」、うなぎを敷きつめた「ひつまぶし」などがあります。
「ひつまぶし」はお茶漬けにすることにより、別の味覚を楽しむこともできます。
新型コロナウイルスの感染拡大で家族揃って自宅で過ごす「おうち時間」が多くなったいま、冬の土用の丑の日に栄養価の高いうなぎをテイクアウトして家族団らんを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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